第三章 協会

信仰の兄弟たちよ、人生を通じる二つの道がある。それらは「善の道」(Road of Good)と「悪の道」(Road of Evil)であるが、それらは明確に定義された道ではなく、そしてしばしば並んで走っていて、時々お互いに交差することがある。導き無しで、つまり暗愚の内に旅をする者たちは、しばしば一つの道を他の道と間違える。我々は光の中を歩む事を選んだ者たちであり、交友の内に共に「善の道」(Road of Good)を旅する人々の協会である。

我々は「真の行動の大いなる道」(Great Path of the True Way)における仲間であり、指導する兄弟が「真の行動の大いなる道」(Great Path of the True Way)につて話す時は、彼は二様の道について話すのである。「右手の仲間たち」(Companions of the Right Hand)は、地上的な労役と進歩の重荷を背負う者たちである。というのも、彼らには力、器用さ、そして堅実さが必要だからである。「左手の仲間たち」(Companions of the Left Hand)は、霊的な労役と啓発、人間の心に近い事に関する重荷を背負う者たちである。協会は二つの部分に分割される。「地上的なる協会」(Earthly Brotherhood)があり、それは小さく数も少なく殆ど財産を持たないかもしれないが、これはいつもそうであるとは限らないであろう。「天上的なる協会」(Heavenly Brotherhood)もまたあり、「二度生まれし者」(Twice Born)の幾分かとその時までに活動していた彼らの信徒たちから成っている。彼らの仕事は悪魔や暗愚な霊の地獄を一掃し、従う者たちの道を用意する事である。彼らは新しい国に入って野獣を一掃しその土地を制御下へと置かなければならない人々の様である。二つの領域を接続する道を建設することは、上なる者たちと下なる者たちの仕事である。

貴方の兄弟は地上的な事柄を指導するための良い資質を持たないので、それは別の人に残しておく。隊商は、各人が自分自身のラクダに乗る時、素早く移動する事が出来る。霊的な事で最も重要な事は、各人が自分の魂を目覚めさせるべきであり、見た目以上にずっとより困難な仕事であるが、「地上」(Earth)はその為に捧げられた道具なのである。

この目的に到達するための最初の目標は、自己を飼いならす事である。丁度馬が何かの用役に従事しなければならない前に仕込まれねばならないのと同じように、人間の死すべき定めたる肉体は飼いならされ、制御下に置かれなければならない。これを行うには、自制のみならず、地上的な条件の上へと昇華する能力が要求される。易しい仕事ではない。というのも、「地上」(Earth)は厳しい親方であり、立派な敵対者であり、そして死すべき定めたる肉体は不実なる馬であるからである。

「真の行動の大いなる道」(Great Path of the True Way)に従う者たちがそれによって足を向ける所の務め、義務、そして慎みは、気まぐれに負わされているものではない。それらは、実際に、第一歩を受け持つのに最低限必要なものに過ぎない。であるから、協会への入門の前に誰でも、我々の生き方を守るあらゆる義務や命令を受け入れなければならないのである。我々は唯一の道を知っていると主張するのではない。疑いも無く他の道もある。が、我々は最善の道を知っていると主張することが出来る。山頂へは多くの道によって辿り着く事が出来るが、最も近い道はいつも最も困難なのである。

至高の個人的な霊的経験は疑いも無く真の霊的信仰の土台のための最善の源泉である。それは瞑想を通じた潜在的な霊的な力の開発から始まる。貴方は準備が出来たら、孤独な場所、人々の住処から離れた場所、落ち着いて静かな場所を捜し出す。革袋を取り、貴方の必要に充分なだけの少量の食物と水を持参する。それから、貴方の思考を内部へと向け、肉体のリズムと調和させる。貴方の霊が自分の周囲を流れる霊と調和することを望むようにして、二つの霊が一つとなるようにする。貴方は瞑想中、食べすぎたり食べ足りなかったりしてはならない。というのも、貴方がくつろぎ行動するのにおいて、貴方の食事と睡眠において調和が無ければならないから。

霊的自己意識の喜びを知る者となること、感覚によって知る事が出来る如何なるものも超越した、「真実」(Truth)を示す幻視をを得ること、痛みや悲しみの束縛の上へと突破し、そして随意で肉体の枷から霊を解き放つことは、霊的な瞑想によってだけでは到達できない大切なことである。この道へ導くのは、道徳的な自制と勇気の道である。霊的なことだけを教える信条は、地上的なものごとだけに関係することと同じように不毛である。

貴方の兄弟は霊の覚醒に関するあらゆることについて書く事によって説明しようとしているのではなく、それらは道徳的基礎が敷かれるまでは役に立たないであろう。そのような教えは「右手の道」(Right Hand Path)を旅する者たちのより高い輪の中に留めておかなければならず、参入していない者たちに対して開示してはならない。

貴方の入会に係る祈りが貴方の記憶の中で常に新鮮であるように。「「偉大なる至高の造物主」(Great Supreme Creator)、「地上と多数の圏の名工」(Craftsman of Earth and of the multiple spheres)よ、我々の兄弟が常に忠実を維持することが出来るのを認め給え。彼が、一日ごとに、常により立派になり、彼の人生を人類への奉仕とその目的の達成へと振り向けて捧げますように。そして彼が永遠に「真実」(Truth)の光の中を歩みますように。彼に知恵の王冠、知識の衣服を授与し、そして彼に勤勉の靴を履かせ給え。彼に我々の教えや規律を守るための力を授与し給え。これらのものと彼自身の努力を持って、彼が彼の中の霊の真の美しさを目覚めさせることが出来るように。貴方の力を彼の弱点に加え、彼が全ての利己的な動機と卑しむべき願望に打ち勝つことが出来るようにされ給え。彼の自己の飼いならしを助け、彼が人間に内在する怒り、貪欲、そして自己憐憫へと向かう傾向と戦うことが出来るようにされ給え。彼を強め、彼が告げ口、悪意、そして嫉妬という悪を打ち倒すことが出来るようにされ給え。彼の兄弟たちの欠点や短所を理解の目を持って見る事が出来、そして彼らの良さを見習う能力を彼に授与し給え。」

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