第二十一章 マルフィン(Malfin)の法

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貴方がたの魂が「中枢なる光」(Central Light)によって照らされますように。定めの時に大きな柱の間に集う貴方がた全てに、貴方がたが「神の」(His)地上の行事のお世話をするように、「至高なる霊」(The Supreme Spirit)によるご加護がありますように。貴方がたが「神の」(His)法を守るように、「神」(He)が貴方がたを守りますように。貴方がたが「聖なる圏」(Sacred Circle)の中心から啓蒙の恩恵を受け、貴方がたの魂がそこから飲んで元気を回復する永遠なる泉が貴方がたに開け放たれますように。貴方がたが永久不変なる再生の賜物を受け取りますように。

次の事はよそ者に関する法であり、貴方がたは従わなければならず、それらは貴方がたが有するものに正当に付け加えられる事が出来る。というのも、正義はその起源の如何を問わないからだ。それらは二部よりなる:もっぱら貴方がたに関するものと、そしてよそ者たちの間で貴方がたに適用されるもの。

もしある者が商取引に対する証言を要求される地位にあって、それに関する虚偽の証拠を提示して、あるよそ者が途方に暮れるのであるならば、彼は縛り上げられてそのよそ者に引き渡されることになる。もしそのよそ者が損害を被るのであるならば、それを引き起こした者はその権利を剥奪されて、その損害が補償され、かつその二倍の価額が評議会に支払われるまで、捕らわれの場で労働をさせられる事になる。その者はその権利を回復してはならない。

審理対象に何の関心もなく世評の良いものだけが、免責特権をもって証言する事が出来る。もしその者が金員を受領するのであるならば、彼の声が聞かれる事はない。

ギャンブルをする者、金貸し、あるいは転売をする者、債券や税の回収を行う者は判事となることが出来ない。

また家庭内騒動にある者、裁判において有罪となったものも同様に、判事となることが出来ない。

如何なる者も、他に誰か判事が見つからない場合を除き、親族、友人あるいは敵の裁判において判事となることは出来ない。如何なる者も自分に敵対する者が欠席する場において裁判に列席して、自分へのひいきを得ようとする事は出来ない。虚偽を申し立てる証人の言葉は、他の具合に証明されない限り、等閑視されることになる。

審判の座の前で怒って声を荒げるならば、あるいは誰かが不適切にふるまうのであるならば、当該審理は翌日まで持ち越されることになる。審判の座に就くときには、判事は、金持ちの人が盗む事は貧しい者が盗むよりも悪質である事、あるいは、良い家柄の者が下劣である方が、身分の低い者が同様に振舞うよりも悪質である事を銘記しなければならない。強い者が不正に殴打する事は、弱い者が同様であるよりもより悪質である。

もし誰かが荒々しいふるまいによって人が居住する場所の土地内で傷害を引き起こしたりあるいは誰かに怪我を負わせるのであるならば、その者はその傷害や怪我が回復するまで捕らわれの場へ行くものとし、また同額が評議会へ支払われることになる。

あらゆる土地所有者は自分の土地を障壁で囲わなければならない。もし囲いが無いのであるならば、あるいは囲いが壊れているのであるならば、その者は迷い出た動物によって引き起こされた如何なる損害をも主張する事はないであろうし、その動物は痛められたり危害を加えられる事無く放逐されなければならない。もし誰かがその障壁や防壁に損傷を加えるのであるならば、その者はその損傷を通じて起こるどのような事に対しても責任を負うであろう。もし誰かがよそ者に属する財産に損害を与えたり、その動物に危害を引き起こすのであるならば、彼はそのよそ者へと引き渡されるであろう。

もしある者が自分の土地をさまよっている動物を発見するのであるならば、彼はをそれを確保し、損失や損害に対する補償の支払いを要求する事が出来る。

もし誰かがよそ者の法に違反するのであるならば、その者はよそ者の法の下で審判を受ける為に彼らに引き渡されるであろう。如何なる者も彼自身の判事たちによって聴聞を受けるまでよそ者に引き渡される事はない。もし誰かがよそ者によって審判される事になるのであるならば、評議会の者が彼と共に同席することになる。

もしある者が人々の集会において武器を引き抜くのであるならば、その者は自分よりも階級の高い者へその武器を明け渡すものとする。もし彼がそれを拒むのであるならば、彼は捕らえられて、罰の為に判事たちの前へと連れていかれるものとする。彼はその武器の価額を支払わない限り、その武器を取り戻す事が出来ない。もし誰かが武器で他の者を脅すのであるならば、その武器はその者から取り上げられる事とし、評議会へその価額の支払いを行うことなしにその武器を取り戻すことは出来ない。

男たちは自分たちの妻の私生活に対して権利を有する。男たちは男たちの私生活に対して権利を有し、また女たちは女たちの私生活に対して権利を有する。家族は家族の私生活に対する権利を有する。

何かを行うために自分の力によって他人に指示をする者は誰でも、あたかも彼自身によって為したかの如き立場となるものとする。

もし多くの者たちが不法に捕らえて殺し、あるいは傷つける者と一緒であるならば、その者の守備の為に貴方の武器を抜け。もし誰かが貴方の居合わせる場で奴隷の言葉を使うのであるならば、黙らせるだけでは十分ではない。もし貴方が、その者に力があるので非難しないのであるならば、その者との付き合いから離れる事だ。何もしないのは誤りである。というのも、人間たちは悪を前にして消極的であってはならないと言われているからだ。

悪口を言いふらす者とデマを飛ばす者は両方とも、為された害悪に報いる為に捕らわれの場へと送り込まれる事が出来る。もし何の害悪もないのであるならば、その嘘つきは依然世評なしの人間であるが、その者の罰は自分が真実を話している時であってさえ信じてもらえないであろう事である。

偽善者は二枚舌の忌まわしい生き物で、ヨーロッパヤマガシの様に、手で摑まえる事が出来ない。もし誰かが自分自身を偽善者であると世間に認めさせるのであるならば、奴らを追放し、奴らによってよそ者たちを苦しめさせよ。

悪行に対して規定した罰があって、そしてそれを防ぐための多くの助言がある。罰はただ失敗を認識する事である。悪行は愚鈍を相手にする失敗から生じる。自分によって果たしたものであれ、他の人によるものであれ、育て方の失敗、教え方の失敗、行動規範の確立の失敗、そしてしつけの失敗など。人が罰の為に判事たちの面前にやって来る時、判事たちが彼を糾弾する事によって彼らの責務の半分以上が為される。判事たちはまた自分たちの間で審問する。「人々はどの点でこの男に関して失敗したのであろうか?この者は正しくあるいは誤って導かれたのであろうか?また我々は彼に対して責任が無いであろうか?」悪事を行う者をその者の行いの原因を追究せずに罰する事は、偽善的な審判である。もしある者が闇に歩いて躓いて穴に落ちるのであるならば、彼を攻めるべきであろうか?もし光が誤って導いたり、人が躓くのを防ぐには弱すぎたりするのであるならば、その光には価値がないのである。それ故に、兄弟が道端の穴に落ちるのであるならば、光の運び手たちに罪はないとは言えないのである。

次の事は、自由の時代に貴方に法を失う事が無いように、貴方の為に記録されたものである。その時代は日の出と同じくらい確実にやって来るであろう。貴方の仲間が少なくなる事を恐れてはならない。一人の賢人は大勢の愚者よりも良いし、硬いオークの樽板は葦の柱よりも良い。

武器を誤った行いでそれを使用する他の人へ供給する者は、その人自身罪がない訳では無い。もしその者がその使い方を知っていたならば、その者はまさに有罪である。不当に手に入れた物を所有する者は罪がない訳では無い。もし、故意に手に入れたのであるならば、まさに有罪である。年齢がまだ成人に達していない者は強盗や暴力において(成人と)等しく有罪とはなりえない。馬鹿者、気違い、既婚女性や女性についても同様である。

もし誰かが他の者を不法に縛ったり、あるいはその人の自由な状態を失うようにするならば、その者はその害悪に対する償いをするものとし、また捕らわれの場へと送り込まれる事が出来る。誰もが独居と私生活の権利を有しており、その人のそういった権利を拒む者たちは罪がないとは言えない。もし誰かが女性の髪の毛を台無しにするのであるならば、その者は十分となる限りまでその害悪の償いをしなければならない。

もし誰かが泥棒が盗みを働く場にあるいは誰かが不法な行いをしている場に出くわし、その者が抵抗するのでその者を殺したり傷害を負わせたりするのであるならば、何も悪事を働いている事にはならない。もしその者が降伏して捕らわれの身となり、そして不法に殺されたり傷害を負わせられるのであるならば、その行いを為すものは有罪となる。もしある者が妻の姦通の場に出くわして、妻と間男の両方を殺すのであるならば、彼は何も悪をなしている事にはならない。もしある者が、他の者が自分の息子または娘または他の子供を不法に取り扱っているのに出くわし、その者を殺すのであるならば、その(殺した)者は何も悪を働いてはいない。もしある者が夜に泥棒や彼を傷つけようとするものを殺すのであるならば、彼は何も悪を働いていない。もしある者が鍵のかかった部屋で隠れて他の者と妻がいる事を見つけ、その男を殺すのであるならば、彼は何も悪を働いてはいない。もし彼が、彼ら(妻と間男)が秘密の場所に居るのに出くわし、その男を殺すのであるならば、彼は何の悪も働いていない。もしある者が肉欲から不法な行いを犯し、彼は合法的に殺される事が出来るのであるならば、その者は代わりに去勢させることが出来る。もしある者が乙女の同意なしに彼女に手を付けるのであるならば、彼は罪がないとは言えない。

もし二人の者たちが喧嘩をし、一方が侮辱を受け忍耐をするのであるならば、もう一方はその侮辱に対して償いをしなければならない。親族の女が姦通を行っている場や、あるいは鍵のかかったドアの中にいるのに出くわした兄弟、父あるいは息子は、彼がその女の夫であるかのような立ち位置となる。

もしある者が公正な戦いにおいて挑発した他の者を殺すのであるならば、彼は自己防衛の為にそうしたのである。酔っぱらっている間に行われた行為の罪は軽くなることは無い。もし誰かが腰かけに座ることが出来ない程酔っぱらったのであるならば、彼は罪がないとは言えない。

もし誰かがよそ者に属する木を損ない、その木が共有地にあるのでなければ、その者はよそ者にその価額を償わなければならない。もし誰かが他の者の木を損なうのであるならば、その者はその木を盗んだかのような立場となる。

女と婚約している男は、彼女が密通している、あるいは鍵のかかった扉の向こうにいる場へ出くわしたのであるならば、あたかも彼女の夫であるような立場となる。もし彼が、婚約者である女が秘密の場所にいる所に出くわすのであるならば、彼は彼女の夫としての立場となる。もし誰かが、女が不貞である事を知っていて、ある男にその女が貞淑であると信じ込ませて注1結婚を許可するのであるならば、その者は罪を負うものとし、その夫に償いをする事を要求させても良い。

婚約の時、男は自分の婚約者の父、または彼女の父の次の親族に、彼が彼女を扶養しそして守る事を誓約しなければならない。婚資は結婚の七日前に支払われる事とし、そしてそれは彼女の父に全き女性的な美点をもって彼女を育て上げた事に対して報いることになる。

ごまかしや力づくでの結婚は正しくない。その場合は犠牲者は束縛される事はないが、他の者たちについてはあらゆる意味でまるで結婚したかのような束縛が生じる。もしある者が詐欺によってある女と結婚するのであるならば、彼は罪がないとは言えず、そしてその悪行について償わなければならない。もしある者が力づくで結婚し、女が処女であった場合には、彼は結婚が成立しなかったかのような立場となるが、その女はその男の財産に対して全ての妻としての権利を有する。

夫は以下の理由で法を犯す妻を、法によって罰すること無く、罰する事が出来る: 夫が不在の時に自由に男たちと話をする事。夫や夫の家を呪う事。(妻)自分自身の家を呪う事。自分の声が他人の住居へ届くように大声で話す事。中傷や陰口のため。わいせつさや下品さのため。彼女の話の中での裏切りのため。夫の子供に対し怠惰または無頓着な事のため。

妻は全面的に彼女の夫の手に引き渡される訳では無く、彼は彼女の幸福の為に全ての物事を提供しなければならず、愛情と斟酌をもって彼女に処遇しなければならない。夫は妻の欠点に対して寛容である事とし、女としてのか弱さを大目に見る事とする。男は不義を犯す妻の処遇について知っておく義務を有する。

もし妻が狂ったり、病気になったり、あるいは傷害を負うのであるならば、例え彼女が夫の妻として居る事が出来ないとしても、彼女を捨てる事は出来ない。こういった事は人生への天与のものであり、共に耐えなければならない。

如何なる男も、自分の姉妹の裸を知ってはならない。如何なる男も私生活の場以外で自分の妻と寝てはならない。如何なる者も気違いの男女、子供や馬鹿者が動物を殺すのを許容してはならない。が、鳥については、女が食用として殺す事が出来る。これらの行いを許容する者は、罪がないという訳では無い。

もし頭が不潔であるならば、それは盲目へと導くであろう。もし着ている服が不潔であるならば、それは狂気へと導くであろう。もし体が不潔であるならば、それはただれや病気へと導くであろう。

腹の三分の一を満たすように食べよ。腹の三分の一を満たすように飲み、残りは空にして置け。空腹の時にのみ食べ、喉が渇く時にのみ飲め。食べる時は常に座り、日々二食を摂り、七日目には三食を摂れ。食べすぎたり、眠りすぎたりするな。というのも、肉体の錆付きというものは、実在しないものではないからである。

脱穀場は住宅より50ペース(paces)以下の距離ではない事とする。墓所は100ペース以内ではない事とする。死体置場は100ペース以内ではない事とし、あるいは皮なめし工場は200ペース以内ではない事とする。ゴミ山は50ペース以内ではない事とし、そして養豚場は30ペース以内ではない事とする。屋外便所の穴は20ペース以内とし、かつ遮蔽物で覆われている事とする。犬、猫、馬、牛、ヤギおよびロバを除く動物は居住区内へ入ってはならない。納屋は居所に隣接してはならない。食用の穀物は地下に貯蔵しても良いが、種まき用の穀物は地面の上に保存しなければならない。屋根の元では、水は薬草無しで飲むべきではない。

屋根は木摺の下に葦を曲げて葺いてはならない。代わりに、基盤の上に真っ直ぐに横たえるように葺く。

柱は梁の三分の一上まで立ち上がり、そしていずれも自身に負担を掛け、あるいは邪魔物に載せかけるべきである。外向きの柱は釘を打ち付けて、縛ってはならない。内向きの壁はコケで填隙し、草や樹皮を使ってはならない。屋根は外壁より腕の長さだけせり出し、壁の透かし細工は漆喰を塗らずに放置してはならない。基礎は地面の下2キュビト(cubits)とし、一つに立ち上がるべきである。扉はそれ自体が横方向または上下方向に回転する事とし、吊り下げられてはならない。屋内の壁掛けは繊維または皮とすべきである。ベゾム(bethom)の杖で外部を覆う。

石は熱を加えることなく押し込んではならないし、その外部の部分はそのままでなければならない。香草の捧げものはその日その日に太陽がまだその顔を見せる前に焼かれなければならない。穀粉は研いだ金属を清める為に使用してはならない。捧げものの薪はその定めの時間に焼かなければならない。

男は自分の息子に水泳、乗馬、そして狩猟を教えなければならない。異邦人はその就寝場所と夕食を拒否されない事とするが、その異邦人は労働無しに日中に滞在する事は出来ない。金属を取り扱う如何なる者も兄弟扱いとなるものとする。誰もが裁判のために上級評議会へ来ることが出来る。

全ての集会において、より知識のある人々の意見によって彼らの言葉が影響を受けないように、最初はより低い階級の者たちによって意見が与えられるであろう。よそ者の地においては、貴方は彼らの法によって滞在するであろう。しかし、貴方は彼らの法の間にあって自分自身の法を維持するであろう。法が衝突する場においては、道義心、責務、そして「聖典」(Holy Writ)を貴方の導きとせよ。

(ここで終了するが、3枚の金属板に書かれた残存部分は読み取る事が出来ない。
それは言葉によってではなく、意味によって書き起こされた。)


脚注

注1:原語は"beheve"。これは"believe"の誤植であろう。

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