第二章 ヒブサシー(Hibsathy)

これらの事は庶民に委ねてはならないし、それらを冒涜するであろう者どもにそれらを開示することにより、それらが貶められてはならない。それらはかつて知恵と高潔に称賛された者たちの為に取っておかれたものである。「ハレンプタ」(Harempta)、「地上の神の口」(Mouth of God on Earth)の頃、それらは高い地位の者たちから隠されていた。これは「小さい方の神秘」(Lesser Mysteries)、「二度生まれし者の儀式」(Ritual of the Twice Born)の内の一つである。それは霊的活力を回復し、霊的力を取り戻す儀式であり、それによって「選ばれし者」(Chosen One)は死に、再び起き上がる。それは危険をはらんでいる恐ろしい企てである。それは霊的に弱いあるいは気の弱い者たちの為のものではない。全ての者たちが「地上」(Earth)の友好的な地面の上を再び生きて歩く訳では無い。

七年間の三周期を完了した年輩者のみが受け入れられた。彼らは知恵と勇気を、生き延びるための強さと胆力を有する男性でなければならなかった。その他の欠くことが出来ないものは、完全無欠の潔白さと完全な自制であった。自己犠牲の能力と厳密な意味の責務が要求された。これら全ての資質を所有する男たちだけが意識を有して境界を超えてそして戻ってくる事が出来た。如何なる必須の資質の欠落も死を意味した。「生命の木」(Tree of Life)は多くの枝を有するが、(「二度生まれし者たち」への)入門が最も良い果実を実らせる。貴方の兄弟が書いているのは、その事についてである。それ(「二度生まれし者たち」への入門の儀式)は、人間たちを暗愚の中で歩ませた邪悪さの前の遠く離れた栄光の時代、人々が「真実」(Truth)の光の中を歩んでいた時代に始まった。人々の生活の統治に少しでも関与する全ての者たちが、王や僧侶や役人のいずれにも関わらず、官職に就く前に自分自身をその価値があると証明するように、「隠された場所の会堂」(House of Hidden Places)が維持されていた。後に、「隠された場所」(Hidden Places)はより一層護られて、善良さを長く確立した男たちだけがその中に入ることが出来るようになった。高い地位にいる者たちや権力のある者たちは要求された禁欲的な生活や危険を回避したので、それによって彼らは「真実」(Truth)の光から自分自身を切り離した。エジプトを支配した王や統治者たちは、多くの黄昏と暗黒の長い世代の間、肉体の誘惑への陥りやすさの元に生まれて来た。地上的な目を通じてだけ見るので、彼らは啓示と知識の明確な導きに欠けていた。「セリフの卵」(Serif Egg)は残っているが、それは理解の胸の内で孵る遠い日にその秘密を引き渡すであろう。その時、それはその目を開いて、その翼の折り畳みを開いて翼を広げ、「真実」(Truth)の光を示すであろう。

人間の霊は、彷徨い出て岩や洞穴の間で迷子になった離乳していない子供の様なものだ。それが見つけ出されてその命の源から滋養物を与えられなければ、それは枯れてしまうであろう。

最初の「隠されし場所の聖堂の神殿」(Temple of the Shrine of the Hidden Places)は「聖なる丘」(Sacred Hights)に建設された。それはより劣った神殿と僧侶や教師たちの部屋のある中庭の中に在る神殿であった。その全体が中庭と庭園に囲まれていて、主要部を為す神殿の下には三つの「参入の洞窟」(Caverns of Initiation)があった。後に、「隠されし場所の聖堂の神殿」(Temple of the Shrine of the Hidden Places)が、光が全土を通じて現れている時代に建設された。

以前「二度生まれし者の聖堂」(Shrine of the Twice Born)はより小さな神殿の中に隠されていたにも関わらず、「ラムシス」(Ramsis)が「ラメンの偉大なる神殿」(Great Temple of Ramen)を建立する時、それは、その中に、「完全に最も高き神」(All Highest God)の神殿や聖堂の両方を含んでいた。下部には「参入の洞窟」(Caverns of Initiation)もあった。「東方」(East)と「西方」(West)を向く神殿の大広間には、純粋なる岩の柱の間に、外部の聖所への入口があった。太陽が「東方」(East)に昇ってその一日に活気を与えると、「献身的なる僧侶」(Devoted Priest)がその聖所の「東方」(East)に配置されて、崇拝の勤めを開始して、また理解を持って彼の元へとやって来る人々を、父のように、指導した。志願者の上方の天井には、太陽のシンボルがあり、そこから七つの手が伸びていた。これは、生命の太陽が、創造的な意識の円環の中の源泉から活力を与える生命の力を施しているのを表していた。僧侶の背後には、「完全に最も高き神」(All Highest God)が「地上」(Earth)を創造した時に「彼」(He)から流れ出た、そして「彼の霊」(His Spirit)の属性となった10本の力の光線の描写があった。それらは:「愛」(Love)、「先見の明」(Foresight)、「知恵」(Wisdom)、「洞察」(Insight)、「全ての知識」(All Knowledge)、「力」(Strength)、「決意」(Resolution)、「正義」(Justice)、「慈悲」(Mercy)、そして「勇気」(Courage)である。「献身的なる僧侶」(Devoted Priest)と彼の背後の壁の間には、三つの「崇高なる実在たち」(Sublime Essences)―「至高なる霊」(Supreme Spirit)、「魂の霊」(Soul Spirit)、そして「形作る霊」(Forming Spirit)―常に統一している霊の三つの部分に関する三角関係の描画があった。聖所への入口は「東方」(East)にあり、その上には「大いなる目」(Great Eye)の描写があったが、その秘密をここに書くことは出来ない。「献身的なる僧侶たち」(Devoted Priests)の前方には隠された出入口があり、そしてそこから「婚姻の部屋」(Marriage Chamber)へと導かれていた。この部屋において、「魂の婚姻」(The Marriage of the Soul)として知られている儀式が執り行われた。ここでは、また、生命を活性化させる秘密のエキスや成分から調えられた芳しい香の煙を通じて霊的な滋養物が(志願者によって)吸い込まれた。ここでは、深淵なる「魂の秘密」(Secret of the Soul)が、その静寂の中に存在する秘密が身につけられた。神殿のその聖なる場所の後方には、炎の場所の後方には、「三度隠されたる扉」(Thrice Hidden Door)があり、それは「暗黒の部屋」(Chambers of Darkness)へと導いていて、その部屋は「参入の洞窟」(Caverns of Initiation)の前にあった。

最初の「暗黒の部屋」(Chamber of Darkness)の前に、小さなランプと明かりを含む小室があった。壁に刻まれているのは、「生命と霊」(Life and Spirit)の描写であった。志願者は上の神殿の僧侶と共に七年間に渡って学んできており、そして「二度生まれし者」(Twice Born)の一人によって七年間観察されてきた。今、この小室にて、彼は「聖別されし者」(Anointed One)となったのだ

「聖別されし者」(Anointed One)は最初の「暗黒の部屋」(Chamber of Darkness)へと赴き、より劣る位階の「二度生まれし者」の一人によって検査を受けた。ここでは、その志願者が「大いなる啓発」(The Great Illumination)を本当に望むのか、そして彼が全ての地上的な望みや野心を完全に制御しているかが見出された。ここで、彼は、彼が直面しなければならないであろう危険について警告され、勇気と胆力が試された。彼の前には、今やただ一つの選択、勝利か死かがあった。この部屋は「赤い光の部屋」(Chamber of the Red Light)であった。次に、その志願者と彼に同伴する者は、次の扉の前に立っていた。そして、(同伴する)僧侶はそこに立つ者たちの一人に言った。「外面的なものは非実在であると彼自身の覚悟によって十分に理解し、そして地上的な願望を取り除いて霊的なるものと取り換えたので、この熱望する者は準備が整って立っている。彼はその肉体の粗野な馬を手なずけて、完全に彼の命令の元にあるようにした。彼は人間の中の人間を覚醒させ、そして精神的な見方の目が開いている。彼は取り消す事の出来ない決意をしたのであり、先へと進む準備が出来た者である。」その「聖別されし者」は、第二の「暗黒の部屋」(Chamber of Darkness)への入場を許可されて、そこで彼は裸にさせられて冷水の浴槽の中に置かれ、そこで灯火の燃焼によって定められた時限の間留まった。この部屋は「紫の光の部屋」(Chamber of the Purple Light)であった。

ここから、「聖別されし者」は、「参入の洞窟」(Caverns of Initiation)への入口である小さな部屋へと移った。彼は今や「レストゥアの入口」(Portal of Restuah)の前に立っていて、「入口の前の祈り」(Prayer Before the Portal)を詠唱した。「おお、「名付ける事の出来ない神」(Unnamable God)よ、私に耐えるべき苦しみの重荷を与え、私の肩の周囲に苦しい試練のくびきをはめ給え。おお、「神」(God)よ、私の霊の空虚な空間を苦痛で満たし給え。おお、ほとんど耐えることが出来ない苦痛の重荷の元でさえ、私が他の人の重荷や苦しみを喜んで和らげる事が出来る様な胆力を私に認め給え。私が待ち受ける試練に対する準備が出来て立っているにも拘わらず、もし私が「地上」(Earth)の光の元へと戻って来るならば、私は他の人たちの苦悩を共有する事が認められている事を私はお願いします。というのも、私は苦しみや悲しみによって与えられる強さが必要であり、そして私はそれらが与える恩恵故にそれらを歓迎するのです。」すると、その場に立つ者がその「聖別されし者」(Anointed One)に飲み水を差し出し、次の祈りを言った。「おお、「名付ける事の出来ない神」(Unnamable God)よ、「聖別されし者」(Anointed One)の祈りを聞き給え。彼がその恐ろしい試練の時に失敗する事がなく、「死の入口」(Portal of Death)を通って「恐怖の場所」(Place of Terror)の向こうへと通過し、そして彼が保護する光輝を伴って輝き、それ故に霊と肉体が無事に戻ってくる事が出来る様に勇気と胆力で彼を強め給え。」その「聖別されし者」(Anointed One)は最初の「参入の洞窟」(Cavern of Initiation)へと入り、そしてそこでどんな通常の生きている人間でも耐えることが出来ないような具合で試練を受けた。三日後、彼は出て来てそこに立つ者に言った。「おお、受け入れられる苦しみです。命じられたことは、本当に最善な事です。」「参入の洞窟」(Caverns of Initiation)の最初の二つを通過した後に、その志願者は「包み込まれたる者」(Enwrapped One)となり、そして最後の小さな「二度生まれし者の主の洞窟」(Cavern of the Lord of the Twice Born)の中において、彼の霊を解放した。その「包み込まれたる者」(Enwrapped One)はその時「再生の子宮」(Womb of Rebirth)の中へと置かれ、そこで石の墓穴の中で、彼は七日間放置された。ここで、霊の完全なる解放が起こった。霊は閉じ込めている石を通じて漂い出て来て、その意のままに動き回る事が出来た。人間の如何なる言葉も、どんなに学識があろうと、この経験を説明する事は不可能である。

「包み込まれたる者」(Enwrapped One)の霊は「二度生まれし者の主」(Lord of the Twice Born)の命令によって肉体に戻り、生き延びた者が「二度生まれし者」(Twice Born)となった。「神の栄光を授ける場」(Place of Glorification)へと導かれ進み出でた時、彼の顔は言い表すことが出来ない内面の美しさをもって輝いている。その日から先、彼の振舞や態度は変化し、そして彼は全ての人々と共に、そして彼自身と共に安らかである。彼は地上的な生活から何も必要とせず、そして何も求めない。彼は人生が提供する如何なることも受け入れて楽しむ。というのも、彼は人生の謎に対する答えを知ったのであり、「長年の秘密」(Secret of the Ages)を解決したのであるから。貴方の兄弟(この文章の作者)は「二度生まれし者の参入」(Initiation of the Twice Born)を経験した者の一人であり、彼はカーテンを脇へ少し引き、許可されているだけのものを明かしたのである。それは十分少ないが、王や統治者たちがその地位へと昇り力を得た時、何故彼らは試練を拒否したのかを貴方が理解するのには十分である。それは尤もだ。というのも、最後の試練は地上の生命を、霊的なへその緒を完全に切断する事なく、出来るだけ近く消滅へともたらしたのだから。その前には、二十年以上もの骨の折れる準備があったのだ。それが一層長く物凄いものであるにせよ、時間と厳格さは必要な範囲を少しも超える事はなかった。悲しい事に、それは人間が所有もしない何かを得る為に要求される試練であった訳では無く、その人が失っていたものを再獲得する為のものであった事を、貴方の兄弟は言わなければならない。しかし、それは見かけ以上に厳しいものであり、「長年の秘密」(Secret of the Ages)の為に支払わなければならない最も少ない値段であった。多年にわたり、「二度生まれし者」(Twice Born)の一人になる事を熱望する者は、彼の霊の覚醒の練習をして、彼の肉体を完全にコントロールの元に置かなければならなかった。打ち勝つべき最初のものは、如何なる限界にも近づく前に、長く経験された。それは人間たちの野放図な思考の中に潜むものであった。準備期間における恐ろしい経験は緩和されて、その効果が逸らされねばならなかった。さもなくば、覚醒した霊が完全に圧倒されてしまったであろうから。人間の物質的な体が燃え立つ炎に近づき過ぎる事が出来ないように、霊は神性の圏に近づき過ぎる事が出来ない。「再生の子宮」(Womb of Rebirth)から起き上がった時、その霊は人間の不死に関する疑念から完全に解放されている。人は、自分の目前に光輝を伴い立ち昇る太陽を見る事が出来る時、太陽光線の源泉を疑うことが出来ようか?「二度生まれし者」(Twice Born)に加わったら、各人には選択肢がある。彼は「光の領域」(Realms of Light)の中でより高い進化へ進む事が出来るし、あるいは彼は他の者たちを助ける為に(世間に)残る事も出来る。貴方の兄弟は残る事を選んだ。この「二度生まれし者」(Twice Born)の知恵は「地上」(Earth)の隅々に広がっていて、そして「参入の洞窟」(Caverns of Initiation)はどこでも開かれている。しかし、次第に、年を経て、人々は彼らに「真実」(Truth)のはっきりした光をもたらすために必須である質素な生活や試練を忍ぶことを拒否して来た。それ故に、参入の場所は衰え、その秘密は失われ、人々は暗闇を手探りで進み、そして(適合する)鍵を持たぬ扉を開こうとするのである。人が勇気や時間、遠く離れた土地へと航海する気質や能力を有しないとしても、もし彼がその地について知りたいと思うならば、彼はその旅を行った人に聞かなければならない。「長年の秘密」(Secret of the Ages)を知りたいと思う人々についてもそうなのである。人々は、より良いものへの対価を支払う事に気が進まないので、殆ど価値のない信条を持つ。貴方の兄弟はその究極の経験を他の人々に説明する方法を持たない。彼が「真実」(Truth)の表面を見渡したとはいえ、そして今や人生の目的を理解しているとはいえ、彼が見たものはその心の中に封印しておかなければならない。彼は最早信条だけで満足しなければならない事は無いとはいえ、彼はその確信を他の人々に広げることは出来ない。しかし、人々はとこしえに彼を追求し、彼の人生をかくも素晴らしく変容させた素晴らしい知識を彼と共に共有する事を望むことが出来る。これを、彼自身の拡張された悟りによって果たされた限界の範囲で、彼は行おうとしているのであり、その先には行くことは出来ない。「二度生まれし者」(Twice Born)の霊は、意のままに解放する事が出来る。どれだけ頻繁に貴方の兄弟が言い表すことが出来ない恍惚状態にあるのを貴方は見かけたであろうか?それは穏やかな至福の状態に始まり、彼の周囲の物質世界の暗さを照らし出しさえする内部の光からの明るい発光が外部に流出する状態である。彼は聖なる圏の音楽を聞き、そして彼の周囲で揺れて脈打つ生命の脈動を見ていて、それは大海の波の様である。彼は取り囲む力からの言葉にならない知識の流入を知るようになる。それはどこか一点からやって来るのではなく、全てのものから流出して全てのものを貫通する様に見える。形ある物どもはその濃密さを失ってその中が見える様になり、それらはまるで一万のぐるぐる回る輝く球体の混合物の如くなる。色彩は最早鈍く制限されたものではなくなり、それは深みと数において無限となる。その霊は崇敬の内に自分を見失い、そしてあらゆるものに現れた美を不思議に思う。その魂はこれら全ての内にある神々しい何かについて知っており、その霊がその源泉から流出している事を知っている。

他の人たちの完全な無意識がある。というのも、より崇高なる眺めは彼らの物質的な肉体を超越しているからである。人々の霊は調和した色彩に見え、そして彼らの肉体はぐるぐる回る力の塊として見える。体験中の魂は感性と感覚の海にてどうしたらいいのか分からないでいる。音楽のうねりが、神々しい和音の響きが押し寄せて来る。それはより近い岸辺に打ち寄せる、永遠の浜を洗う海である。

それは誰も別の人に伝えたり、あるいは適切に説明したりする事が出来ない経験である。それはその代価を支払った者たちの獲得した報酬である。彼は報酬を受け取るだけでない。というのも、「二度生まれし者」(Twice Born)である者の生涯を通じて、果てしない幸福なる感覚があり、病気や疾患とは無縁だからである。全ての人々に対する永続的な愛、友愛の感覚があり、その全て以上に魂の不死に関する、また魂のその源泉との単一性に関する正確な知識がある。解明の瞬間に受け取った印象は永久不変である。その印象は栄光を讃えられた光輝で霊を満たす。霊感を与えられた幻影の明滅があり、そして未来が広げられ、過去のように読み出す事が出来る。「再生の子宮」(Womb of Rebirth)から起き上がった者たちによって経験された喜びに溢れた恍惚状態があり、そしてそれがやって来ると、太陽がその上昇において留まる事が出来ない様に押しとどめる事が出来ない。貴方の兄弟が「再生の子宮」(Womb of Rebirth)の中で包まれて横たわっていた時、彼の霊はセリフ(serif)注1の翼の上にあるように運び出され、理解を超越した圏においてどうしたらいいのか分からないでいた。彼はどちらへ進むべきか、あるいは何を求めるべきかが分からなかった。すると、遠雷の轟きのように、次第に大きくなる音があり、過度に目が眩むほどの光が差してきた。その光は、貴方の兄弟が全ての地上的な境界の向こうにある光輝で盛装した美しく神聖なる栄光の形態を見るまで、着々とより明るくなっていった。扱いにくい「地上」(Earth)の言葉は、貴方の兄弟が説明しようと望む事を正当に取り扱う事が出来ない。それは縄で絹の衣服を縫おうとする様なものであり、鋤で砂糖菓子を食べようとする様なものである。言葉というものは、全く不適切な象徴である。認められていた栄光の幻影は消失し、そして貴方の兄弟は自分自身が馴染み深い「霊」(Spirit)の圏にいるのを見出した。

一旦その神秘的なる境界を越えると、その後ずっとそれは開いたままであり、そして殆ど自由意志でその境界を再び渡る事が出来る。貴方にこれらの事を語っているのは、貴方の兄弟は「二度生まれし者」(Twice Born)の時代が終わりに近づいている事を知っているからである。その人生を「真実」(Truth)の発見に捧げている者たちのために、霊の圏において進歩があった。如何なるものも失われてはおらず、如何なるものも無駄であった訳では無い。「大いなる門」(Great Gates)は今なお閉じているが、その門は最早閂で閉ざされていない。今や、その門はノックをすれば開くであろう。道筋はより良く目印が付けられていて、そして進路はより鮮明に指し示されている。その道を照らした者たちは「地上」(Earth)を去ったが、彼らの勤めは終わってはいない。彼らは今もなお別の場所で尽力している。「地上」(Earth)の生活が先へと進む間は、霊の圏での生活も静止している訳では無い。


脚注

注1:何かの動物であろうか。詳細が不明なのでただ音訳した。

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