第十七章 婚姻の誓約の一部分

私の名前は「ファーシス」(Farsis)、「ゴレイス」(Golaith)家の出であり、私には妻がおりません。次の事は「グレンダージ」(Glendargi)家の「アウェリット」(Awerit)に対する誓約です。

「ここにおいて、日の光のもと、「至高なる霊」(The Supreme Spirit)の前、そして全ての人々の前において、我が父「ビーリン」(Bealin)そして貴女の母「ゴロンウエイ」(Goronway)の見ている中で、私は貴女を我が妻として不動のものと致します。」

「私はもう一人の妻をめとる前に必ず貴女に相談するものとし、そして貴女は決して正妻以外の何者になることもないでしょう。貴女は、食べ物は調理前であり布地は織っていないとは言え、決して食べ物や衣装に欠く事が無いでしょう。屋根が常に貴女の頭を覆い、貴女を守る為の武器が常に準備されているでしょう。私は貴女が入用のものに対して常に察し、そして貴女の安寧に関係するものについて常に気を配ります。どのような幸運が訪れようとも、貴女や我々の子供たちと共に共有します。」

「私はわが人生のあらゆる年齢を通じて貴女を守り、そして私の能力の限りにおいてあらゆる災害からあなたを庇護します。貴女に対する侮辱は私、そして私の血族のあらゆる男たちに対する侮辱です。この日から、私の家は貴女の家です。 貴女の父君、かつて貴女にとって父君や父君の家だったものは、今や私であり私の家です。」

「もし貴女の側からより大きな責務が私に招かれるのであるならば、私は貴女の安全と安寧の為にあらゆる用心をします。もし私が、どのような心の変化や考えの汚れを通じてであれ貴女を捨てたり、あるいはもしここに述べる誓約を軽んじて、私自身が貴女の代わりに他の女性へと身を投じるのであるならば、貴女が女性の大きな不正を働くことによって私と私の家に恥をかかせたのでない限り、私は貴女の父の家に婚姻費用の倍の支払いを行います。私はまた貴女に、結婚後からの私の資産や所有物を併せてその半分の持分を与えます。我々の子供のいずれもが私の全資産と所有物の正当な割合を与えられるであろうし、そしてそれは王の従者の手によって不動のものとなるでしょう。」「婚姻の贈り物として手にするもの、あるいは貴女自身のものとして持ち帰るものは何であれ、貴女のものです。私は常にそれを保護して守ります。私の家を汚したり我が名を嘲る悪い物でない限り、貴女から剥奪されてしまうように、私がそれを取り上げる事は決してありません。」

「貴女の弱さは是認され、貴女と共に共有されて、そして貴女が産む子供たちは常に私のものとなるでしょう。如何なる者も、私の手がその者に鉄槌を下すことなしに、決して貴女を嘲ったり口汚く罵ったりすることはないでしょう。如何なる者も不当にその手を貴女に触れる事はないでしょう。というのも、貴女は、今も今後も永久に私のものだからです。」

「私は我らの子供たちの教育を怠りません。が、子供たちは私自身の才覚に従って養育されるものとします。私が自分の信条に従うと同時に、貴女はご自分の信条にしたがっても差し支えないし、それぞれがお互いに対して寛容でありましょう。」

以上が私の誓い、誓約、そして証拠です。

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