第三十一章 婚姻の歌

おお、物質の泥沼の上へと屹立し、ロマンチックな愛が賛美される王国に花咲く愛の帰依者よ!おお、愛の娘にして生命の甘美なる女王よ、今や貴方の成就の時である。真のおとめとなる所の女性の笏を受け取る準備をされよ、真の女性となる所の母の重荷と喜びを受け取る準備をされよ。まことに、貴方は愛の門弟である。

満足した結婚の愛以上の喜びは地上にはない。そのような愛は全人類に対する航路標識の光であり、純粋かつ神聖なる炎で隊商の旅を導く。甘美で清められた愛はあらゆる純潔なるおとめ心の中に神殿を有し、そして全ての男たちはその中に祀られた神秘を崇拝する。おお、決然たる尼僧にして守護者よ、貴方は今や愛の白い冠に値するのである。

偉大であったのは貴方の男性に対する示唆である。貴方は良くおとめの義務を果たしてきて、今や前に進んで喜ばしい女性の重荷を、貴方が妻であると公布する王冠を受け入れられよ。結婚は大昔の伝統によって聖別される。というのも、それは時間の試練や大混乱を生き延びて来たのであるから。それは常に社会の留め金、そして家族の盾であった。

愛らしさは全ての女性に属する。というのも、それは女性らしさの遺産であるからである。顔や姿の美しさは年が過ぎゆくうちに持ち去られてしまうが、心や考えの美しさは水が上がって落ちる様に成長する。淑やかさや純粋さの栄光ある魅力注1は、如何なる女性もが所有することが出来る。

貴方が選んだ相手の周囲に満足の外套を織っていきなさい、おお、女性的なる魅力の優しい運び手よ。貴方は未だ生まれていない世代の母である事を思い起こされよ。おとめ時代、妻の時代、そして母の時代、これらは女性の人生の段階である。貞淑なおとめは良き妻となり、良き妻は良き母となるのである。そのように書かれている。

貴方が現在崇拝している「偉大なる神」(The Great God)が「彼の」(His)保護する翼を貴方の上に広げられますように。そして、貴方がたくさんの子供たちとの交わりを楽しみますように。貴方の人生が平安と満足に包まれ、そして繁栄の4人の運び手が伴いますように。

おお、力と善良の息子よ、夫そして父としての貴方の責務と務めを常に思い起こされよ。愛は貴方自身の暖炉の傍以外のどこにも所属しない。というのも、男性がその妻以外の他の人に愛を費やすことは、何と馬鹿げた事であろうか!男性がその妻に与えるものは同様に彼のものであり、本当に共有された愛は喜びが増加する。自分自身の暖炉の傍で種を蒔く者は、種々の収穫を刈り取るのである。

貴方の妻が優柔不断だからといって貴方の妻につらくあたったり、せっかちであったりしてはならない。というのも、彼女のやり方は全ての女性のやり方なのである。愛の投げ矢は固く思いやりのない心に貫通する事は出来ないのを思い起こし、妻に優しくあたりなさい。

愛は殆どの者によって発掘されることが無い財宝である。それは千のうちの一つよりも少ない頻度で見出される。けれども、それがある所では、神聖な状態で保たれるようにさせよ。というのも、人生から人生へと立ち現れる時に、常に増大する栄光と美の元、一人の者がもう一人の者と結ばれることは、神聖なる運命の命令なのである。

「地上」(Earth)のあらゆる部分がその相手とつがいとなってはいないだろうか?「天」(Heaven)と「地上」(Earth)でさえ結び合わされている。というのも、「地上」(Earth)は「天」(Heaven)が落としたどんなものでも大事にし、そして育んでいるのではないだろうか?「地上」(Earth)で熱が不足している時、「天」(Heaven)は地上(her)にそれを気前よく与え、そして地上(she)がその新鮮さを失い萎れる時には、「天」(Heaven)は優しくなだめる水で「地上」の新鮮さを復原するのである。

「天」(Heaven)は日々「地上」(Earth)を支える仕事に取り組んでおり、地上(she)が顧みられないことは無い。それ故に、より大きな生命の圏から例を取り、貴方の妻を支えて大事にし、彼女が決して顧みられないことが無い様にするが良い。自分の暖炉の前に不満足の種を蒔く者は、たっぷりとした惨めさの報いを刈り取るのである。昔の「賢者」(Wise One)によってそのように書かれており、現代においてさえ斯くの如きであり、将来もずっと斯くの如きであろう。


脚注

注1:原語は"channs"。これは、"charms"の誤りであろう。

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