第二十二章 歌の書からの賛歌または祈り その三

おお、「偉大なる者」(Great One)よ、その思考が人々の心を探り、人間の無知の暗愚の中にある我が道を照らし出す照明の小さな光線を投げ放つ者よ。例え身近な一瞬であっても私が真実を見ることが出来、生命の神秘を知る事が出来る様に、「貴方の」(Your)啓示によって私を強くし給え。「偉大なる者たち」(Great Ones)が見てきた様に、私もまた見える様にとは申し上げません。が、ただ私の理解の及ぶ範囲の何かを掴むために。

おお、「偉大なる神」(Great God)よ、稲妻の閃きの中で影法師を映し出すが如く私が我が魂の所有に係る戦いを遂行する力を見ることが出来る様に、私に一条の明るい光を届け給え。というのも、如何なる助けも無い人間が、恐怖の道筋に沿って魂をおびき寄せる為に潜む、弱い魂を恐怖の深淵に投げ込む前にそれを恐怖のぐるぐる巻きの中へとねじ込む為に待ち受ける悪鬼などのような、暗黒なる者どもを理解しあるいは見る事が出来ましょうか?

「世界の支配者」(Lord of the Universe)よ、我を憐れみ給え。各人の運命以外の全ての物が「貴方の」(Your)「偉大なる御手」(Great Hand)の上に在り注1、そして人間たちは脆くそして弱い。開示された「真実」(Truth)を見てきた多くの者たちは、人間の崇高なる責任を前にして怯み、そしてその前で彼らが自分たちの心の中の恐怖を鎮めるところの奇怪なる神々を形作ることによって自分たちを慰めて来ました。私は「真実」(Truth)をじっと見つめるのに値しない者ですし、多分私は人間たちの心を読む「者」(One)から多すぎる事を聞いてしまい圧倒されてしまうといけないので、私はそうすることを望まないのです。

おお注2、「偉大なる栄光を与えられたる者」(Great Luminated 注3 One)よ、人間たちの魂を貪り食らう為に待ち受けている注4究極の恐怖から私を遠ざけ給え。私が私自身の魂と面と向かって顔を合わせることになる非常に恐ろしい時に我を助け給え。おお、「恐怖の暗黒なる監視員」(Dark Warden of Terrors)の住処から我が魂を救い給え。

「啓発されし者たち」(Illuminated Ones)によってさえ非常にぼんやりと理解される人間の運命の大いなる神秘は何であろうか?私の惨憺たる無知を憐み給え。さもなくば、私は私自身の厭わしさの戦いの中へと引き渡されてしまうでしょう。

際立ったお歴々たちの間でかくも恐れて囁かれている「偉大なる秘密」(Great Secret)とは何でしょう?それを持って人間たちが「偉大なる入口」(Great Portal)を通過して生命へと復帰することが出来るところの物質とは何でしょう?人間の運命は人間によって決められるというのは真実でしょうか?おお、何という恐ろしい責任であろうか、我が心は圧倒され、我が霊は恐れで弱ってしまいます。人間たちが「真実」(Truth)を避け、そして貴方の慈悲を求めその身を「貴方の」(Your)足元へと投げ出すのはこの為でしょうか?

私は恐れます。というのも、我が魂は悪で重くなっており、秤は私に逆らって押し下がるでしょう。四十二の紋章による糾弾の恐ろしい刻印をもって我が魂は烙印を押されてしまうのでしょうか?憐れんで秤の上へ「貴方の」(Your)手を置き、そして私の魂を軽くし給え。

おお、「偉大なる者」(Great One)よ、永遠なる静寂の内に隠されたる者、少数の者たちへ光の標識の如く輝きを放ちたる者よ。おお、我らの暗愚を、そして恐怖が投影されたる我らが心を照らし出し給え!我らが「貴方の」(Your)偉大さの幾分かを理解できるように、その帳をほんの軽く持ち上げられ給え。

我々は全くの無知ということではなく、我々は「貴方の」(Your)偉大さのただの一瞥を認められることが出来るに過ぎないという事を知っています。というのも、より多くを受け取ることは、人間の脆い体質には恐れ多過ぎるでしょうから。これが無知なる者たちが疑う理由なのです。というのも、彼らの甚だしい無知は、彼らの啓蒙化を抑制する脆さを引き起こすからです。

我々はあえてこれらの強烈な言葉を呟くことはほとんどしません。おお、「偉大なる者」(Great One)よ、我々の中の霊がその思考から生じた泥を塗る汚れを浄化するのを助けてもらう事が出来るよう認め給え。汚染する思考の痕跡をことごとく我らより取り除き、栄光の中の悠久の光輝を我々に知らしめ給え。


脚注

注1:原語は"hes"。この様な英語は存在せず、"lies"の誤植であると解釈した。

注2:原語は"0"(数字のゼロ)。数字ではなく、"O"(アルファベットのオー)であろう。

注2weblioによれば、"luminate"は"illuminate"の古語表現。

注4:原語は"which hes in wait to devour..."。"hes"はここでも"lies"の誤植であろう。

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