第二十章 歌の書からの讃歌 その二

おお、「偉大なる慈悲深き者」(Great and Bountiful One)よ、栄光と永遠なる力の泉の根源であり、知恵を持って王座に着き、その助言は「法」(Law)である者よ、偉大なのは、まさに我々の父祖の時代に為された、国土を一掃する時の「貴方の」(Your)激怒の現れです。にも拘らず、我々、弱く、言うことを聞かず、そして強情な人間たちは、我々の心の奥深くで、「貴方」(You)が行う事は何であれ、正義の元に行われ、最終的に我々の利益となることを承知しております。

計り知れない知恵を持って、「貴方」(You)は人間たちの霊の為に相応しい場所を用意しました。その場所は人間の勢力範囲を取り巻き、「貴方の」(Your)永久不変で変わる事無き「法」(Law)の命令の元に人間が支配する場所です。「貴方」は境界を設け、そしてそれらは隠蔽され、我々の忍耐力を超えて我々を悩ましたり抑圧したりする事はありません。

人間たちの霊は、太陽と月、星と夜の見張り人、霧の人たちと隠された力の洞窟を治める神秘的な領域を支配します。それらの霊はそこでその定められた仕事を引き受け、水っぽい荒地の波に漂う者、深みを守護する者たちです。

「貴方」(You)は人間を、「貴方の」(Your)神秘的な住処にて考えられた原型の似姿として作られました。そして、人間の人生の様子は「貴方の」(Your)計画に従って定められています。偉大かつ素晴らしいのは、人間の究極の運命であり、その人間が今のところ、人生の目的地へ向かう道に沿ってたった数歩の歩みを進めたことです。にも拘らず、「貴方」(You)は人間の耳を神秘的かつ素晴らしい事へと開かせて来られました。

「貴方」(You)は人間の目に不思議な神秘を開示され、人間は昔の時代には信じられなかったような事を知っています。

「貴方」(You)がそれ程までにも与えられたこの存在は、欠点と弱点の代物です。人間は湿った土から形作られて水の中でかたどられ、大いなる混沌の最中に盛り土の上に置かれました。彼の目には上なる栄光が見せられましたが、彼は見るのにうんざりでした。というのも、そのような光輝は彼の理解を超えたものだったからです。それ故に、彼は自分がやって来た所からの物事の間に自分の楽しみを求め、今彼はそこに自分の喜びを見出しています。従って彼は汚染された泉の傍の離れている恥の台座の上に座っています。彼の食事は姦淫のるつぼに由来するものであり、彼は邪悪な衣服を着ています。

「偉大なる者」(Great One)よ。全く賢明なる「貴方」(You)は人間の口から出て来る言葉の意味をご存知です。「貴方」(You)は彼の言葉の果実を、彼の舌の花粉をご存知です。人間に対して慈悲深くあられ給え。そして、人間の弱さを多めに見て下さい。というのも、人間は作られた通りのものであり、そして、あるいは、人間はそのようであることを運命づけられてきたのです。誰が神秘を問うことが出来ましょう?「貴方の」(Your)ご意思が広く行き渡りますように!

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