第十五章 巻物の断片 その一

これは、「炎の子らの偉大なる書」(Great Book of The Sons of Fire)から回収され、参入の儀式に関係するおよそ16の損傷したページについて残存する全てである。

誰が私を褒賞し、あるいは罰するのであろうか?私である。
誰が私の旅路を悲しみでちりばめるのか?私である。
誰が永久不変なる栄光の生命を私に授与することが出来るのか?私である。
誰が私を奇形の恐怖から救わなければならないのか?私である。
誰が人生を通じて私の歩みを案内するであろうか?私である。
誰が喜びを私の人生にもたらし、我が心を喜ばせるのであろうか?私である。
誰が我が霊に平安と満足をもたらすのであろうか?私である。
誰が私の苦役の重荷を軽くするのであろうか?私以外誰もいない。
誰の勇気が悪の所作から私を守るであろうか?我が勇気である。
誰の知恵が私を導き、我が心を教化するのか?我が知恵である。
誰の意思が我が運命を支配するのか?我が意思である。
私の必要の世話をするのは誰の責務なのか?我が責務である。
誰が私の未来の存在状態に責任があるのか?私のみに責任がある。
誰が誘惑から私を保護するのか?誰でもない。
誰が私を悲しみや苦しみから保護するのか?誰でもない
誰が私を苦悩や苦痛から保護するのか?誰でもない。
誰が我が労苦や艱苦、悲しみや苦しみから利益を得るのか?私自身である、もし賢明であるならば。
誰が我が誘惑の魔手や苦悩、我が犠牲や質素な生活から利益を得るのか?私自身である、もし賢明であるならば。

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