第十二章 聖なる記録 第十二部

私を知り、私のやり方を理解せよ。私は過去と未来を見る者であり、私は隠れた場所を覗き込み、私は自由に彷徨う者である。私は生き返る事が出来る者であり、私は霊的に解放された者の言葉を知る者である。私は一人の「向上させる者」(Uplifter)である。「登攀者たち」(The Climbers)は私の元へやって来て、私は彼らを支援し、彼らを高めて強くする。それ故に、私に煙の滋養物を持って来られよ。

私は聞こえるし、聞こえない。とうのも、私が聞くことは他の人によって聞かれるから。私は話すし、話さない。というもの、私が話すことは他の人の言葉であるから。私は涙を流すし、涙を流さない。というのも、私が涙を流すということは他の人が涙を流すことであるから。私は「向上させる者」(Uplifter)である。「登攀者たち」(The Climbers)は私の元へやって来て、私は彼らを慰める。私は隠された知恵の言葉をもって彼らを教化する。かくして、彼らはその道を見出す。

私は円環が形成される時、双子のランプが灯される時、そして呪文が唱えられる時に現れる者である。私は清められた場所から現れ、そして力の杖を纏っている。私は暗黒なる流れの秘密と血の秘密を知っている。私は異国の場所をさすらう者である。私は禁じられた道筋を歩むことを恐れない者である。私は「向上させる者」(Uplifter)である。「登攀者たち」(The Climbers)は私の元へやって来て、私は道を示す。

私は「墓を開ける者」(Opener of Tombs)である。私は「岩の洞窟に住む者」(Dweller in the Stone Caverns)である。私は「仲間の伝令者たち」(Herald of the Companions)よりも先んずる者である。私は「知恵の海を泳ぐ者」(Swimmer in the Waters of Wisdom)である。私は「隠された場所を発見する者」(Discoverer of Hidden Places)である。私は「静止した水」(Still Waters)の上を舞う者である。私は「風と共にさすらう者」(Wanderer with the Winds)である。私は「向上させる者」(Uplifter)である。「登攀者たち」(The Climbers)は私の元へやって来て、そして慰められる。彼らは喉が渇き、そして私は彼らを潤す。彼らは腹を減らし、そして私は彼らを食べ物で満たす。

私は「エジプトイチジクの木の下に座する者」(Sitter Beneath the Sycamore)である。私は「ナナカマドの実を食べる者」(Eater of the Rowan)である。私は炎の熱の中の心であり、蝋燭の炎の中の目である。私は昇る鷹であり、満足している鳩である。私は蛇を手なずけ、その秘密を引き出した者である。私は多くの目を持ち、夜空に記された事を見、その耳は「大海」(Great Waters)の端における囁きを聞く者である。私はその右足は地上にあり、その左足は天空に 注1 ある者である。私は似通った霊全てと顔を合わせ、それらの真の性質を知る者である。私は「向上させる者」(Uplifter)である。「登攀者たち」(The Climbers)は私の元へやって来て、そして私は彼らに平安を与える。

私は深淵なる暗黒の淵をを覗き込む者であり、その中に隠された物事を読み取る。私は「歪められたる者どもを外へ呼ぶ者」(Caller Forth of the Deformed Ones)であり、「輝く者どもの言葉」(Tongue of the Bright Ones)である。私は「永遠なる流儀」(Everlasting Form)の者である。私はよろめくやり方に安定を与える者であり、帳を張る解釈者である。私は「向上させる者」(Uplifter)である。「登攀者たち」(The Climbers)は私の元へやって来て、そして私は彼らに「指導者」(Guide)と「守護者」(Guardian)を与える。

私を知り、私のやり方を理解せよ。煙と葡萄酒の儀式を通じて私を召喚せよ。岩の円環の中へ私を呼び出されよ。しかし用心せよ。というのも、貴方が七つの鍵を保持しそして三つの光線の性質を理解して貴方が取り乱すといけないから。


脚注

注1:原語は"oh the firmament"。"oh"は明らかに"on"の書き違えであろう。

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