第四章 「破壊者」(The Destroyer) 第二部 大いなる巻物より

おお、「破壊者」(the Destroyer)を待つ「世界の番人たち」(Sentinels of the Universe)よ、如何程の長きに渡り、貴方がたは到来の寝ずの番を続けるであろうか?おお、思慮もなく待つ死すべき定めたる人間たちよ、「天上」(the Heavens)がバラバラに引き千切られて大空が二つに引き裂かれるであろう、子供らの頭髪に白髪が混じるであろう時、「破滅のぞっとする日々」(the Dread Days of Doom)に貴方がたは自分自身をどこへ隠すであろうか?次の事は見られるであろう事であり、貴方がたの目が目撃するであろう恐怖であり、それは貴方がたの身の上に降りかかるであろう滅亡の姿である:大きな炎の胴体、多数の口と常に変化する目を有する白熱の頭が生じるであろう。不定形の口の中にものすごい歯が見え、そして恐ろしい暗黒の腹がその中の炎によって真っ赤に輝くであろう。最も勇敢な者でさえ身震いし、そして彼の腹は下るであろう。というのも、それは人間たちにとって理解可能な事ではないからである。それは大空に渡って広大に「地上」(Earth)を取り巻き、大きく開かれた口の中で多くの色彩で燃え立つであろう。こういったものが下ってきて、地表に渡って一掃し、大きく開いた顎の中に全てを巻き込むであろう。最も卓越した戦士たちは虚しくそれに突撃するだけであろう。牙が空から降ってきて、そして見よ、それらは冷たく硬化した水の恐怖を覚えさせるものである。巨大な丸石が人間たちの上に投下され、彼らを赤い粉塵へと粉砕するであろう。

大量の塩水が後に続いて隆起して轟く奔流が陸地へ向かって流れ込むので、死すべき定めたる人間たちの間の勇士たちでさえ狂気に打ち負かされるであろう。蛾がその破滅へ向かって敏捷に燃え盛る炎の中に飛び込むように、こういった人々も自分たち自身の破滅へと飛び込んで行くであろう。眼前に燃える炎は人間たちの全ての建造物を貪り食い、その後に来る水流は残存するあらゆるものを流し去るであろう。死の露は静かに降り注ぎ、一掃された土地の上に灰色の敷物のように積もるであろう。人々は精神錯乱状態になって叫ぶであろう、「おお、どのような「存在」(Being)がそこにあるにせよ、この法外な恐怖の姿から我々をすくい給え、我々を灰色の死の露から救い給え。」

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