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比喩譚

第37章から第71章

 第37章 1. 彼 訳注1 が見し第二の幻視、其は智慧の幻視なりー是エノク、即ちジャレッドの嫡嗣(ちゃくし)、マハラレルの裔(すえ)、カイナンの裔、エノスの裔、セトの裔、アダムの裔の見たるものなり。 2.而して是、我が地の面(おもて)に住める者等(ら)に語りて述ぶる、其の声を揚ぐる智慧の言葉の肇(はじめ)と為るなり:聴け、爾(なんじ)ら古の者等よ、猶(なお)覧(み)よ、爾ら後(のち)なる者等よ、我が万霊の主の御前にて語らんとする聖なる御方の言葉を。 3. 此れを古(いにしえ)の輩(ともがら)のみに宣べ伝うるは更に良からめども、後なる者等に対しても、我等 訳注2 、智慧の濫觴(らんしょう)を拒む事無からん。 4. 今に及ぶまで、斯くの如き智慧の万霊の主に由り与えられたる事は無し。我、己が洞察に従いて、万霊の主の御旨(みむね)に依り此れを受け取りぬが如し。主に由りて永遠の生命(いのち)の配分、我に授け給えり。 5. 此処に、三つの比喩譚(ひゆたん)我に授けられたり。而して我、声を揚げて其等(それら)を地の面(おもて)に住める者等に宣べ伝えたり。


【注記】

訳注1 : 原語は'he'。もちろんエノクを指す。

訳注2 : 原語は'we'。「我々」という事であるが、これは「預言者の'we'」あるいは「エノクと天使ら」といった括りを言い表している。ここでは「我等」と訳出した。最初の'he'から人称が変化している事に注意せよ。古文書ではこの類の人称変化は良くある事である。

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